近年、奨学金に関する問題が多く発生していますね。
ニュース番組の「ノンストップ」でも取り上げられていましたが、奨学金によって破産する例も存在するそうです。
給料を沢山貰う為に大学を出ても、結局奨学金が返せず不幸になるなんて考えたくもありませんよね。
では実際に奨学金を返せなかった人たちが、どのようになってしまうのか、自己破産をした場合や保証人に関する事など、順を追いながら流れをみていきましょう。
なぜ返せないのか
そもそも奨学金はなぜ返せなくなってしまうのでしょうか。
普通に考えると、働きながら毎月決められた額を納めれば良さそうですが、実際に奨学金を返済できない人たちはどのような環境に置かれているのか紹介していきます。
給料が安い
1つ目に挙げられたのが、会社の給料が安いと言う事です。
奨学金は大抵の場合、就職して半年後から返済が求められます。
おそらく最初の半年間は、引っ越し、家具、生活必需品、スーツなどが必要になる為、支払いが厳しい事を考慮して、半年後に設定されていると思います。
しかし、半年経っても返済できない人には1つの要因として、給料が低い事が挙げられます。
つまり、毎月の給料で毎月の出費をまかなえていないと言う事です。
特にマンションなどに住んでいる方は、家賃の支払いが大きな出費だと言えます。
それも一時的なものではなく毎月の固定費である為、出費を抑えるには難しいポイントでもあります。
家賃が高い場所に住んでいる方は、事前に毎月の給料で支払いが追い付くのかを考えなかった結果とも読み取る事が出来ます。
もちろん中には賃貸物件の空きが無く、仕方なく高い家賃の場所に住んでいる方もいるとは思いますが、そういった場合でもしっかりと後の事も考えておく必要があります。
他に借金をしている
次に奨学金を返済できない理由の2つ目として考えられるのが、奨学金以外にも毎月支払わなければならないものがある場合です。
例えば以下のものがそれにあたります。
- 友人に借りたお金
- 消費者金融からの借り入れ
- 車や携帯電話の分割ローン
- 家賃の滞納金
これらのものを返済しながら同時に奨学金も返して行くなんて、社会人1年目の初心者には到底無理です。
さらに奨学金の種類によっては利子が付くものがある為、先延ばしにすると取り返しのつかない事になるので、早めに返す努力は必須だと言えます。
払いたくない
そして問題なのが3つめの「支払いたくない」という人たちです。
こういった悪質な債務者はほとんどいないと思いますが、中には支払う能力はあるが支払わないという人もいる事は事実です。
こうした人たちは「奨学金は返さなくていい」と考えていると思いますが、奨学金の仕組みは年金のシステムと似たようなもので、最初に借りた人が返済して初めて、次の世代に貸し出すことが出来る仕組みとなっています。
なので、奨学金を返さない人が多くなってくると、奨学金の仕組み自体が破堤する可能性があります。
現に年金の仕組みが破堤しかけているのを見ると、もしかすると将来、奨学金もなくなるかもしれないですね。
そうならない為にも借りた奨学金は返す必要があると言えます。
奨学金の落とし穴
奨学金全体の返済率は97.3%と高い一方で、2.7%の人は支払えていないのが現状です。
上記でも述べた通り奨学金を借りるまでは良いですが、実際に返済するとなると返せない人たちも中にはいます。
奨学金は返済を延滞すると、ある日裁判所から通知が来ることがあります。
大抵の返済者は毎月35,000円程度を奨学金の返済に充て、ボーナスが出れば200,000円程度を一括で返す人もいるそうです。
先程も言いましたが、卒業して半年後から返済は開始します。
しかし奨学金を借りた学生のほとんどは、奨学金=借金という意識がありません。
また、奨学金が返せない理由の1つとして、大学の授業料・入学金が昔に比べ上昇傾向という事も挙げられます。
これは大学のIT化に伴う設備費の上昇が原因だと言われています。
奨学金の先延ばし猶予は最長で10年間ですが、先延ばし申請を毎年続けた結果、一括請求された例もあります。
その事から、先延ばしにできるからと言って、奨学金の支払いを遅らせていると、将来大変な目に合う事が予測されるので、少額でも支払いが可能なら支払いを行なった方が良いでしょう。
自己破産するとどうなる?
奨学金の支払いがどうしても出来なく、最終的に頭を過るのが自己破産という選択です。
しかし自己破産は、奨学金にも適用できるのでしょうか?
答えは、NOです。
本人が自己破産宣告を行なっても、返済義務が消滅する事はありません。
仮に自己破産宣告をすると、その返済義務は連帯保証人に移行します。
連帯保証人は大抵の場合は家族である、父親か母親が引き受けている事でしょう。
そのため本人が自己破産をすると、両親に莫大な借金が降りかかります。
仮に、連帯保証人である父親も自己破産宣告をするとします。
そうすると今度は父親の兄弟や、身内に返済義務が移行し、負の連鎖が発生した事例もあるそうです。
国はなぜ、そうまでして取り立てを行なうのかと言うと、上記でも述べたように奨学金のシステムが返済されて初めて、次の世代に貸し出されるというものだからです。
こうした負の連鎖が生まれない為に、現在では人的保証ではなく機関保障にすることで解決する事ができます。
文字通り人的保証とは、債務者が返済できなかった場合、代わりの人が保証する事を指し、機関保障と言うのが人ではなく、組織が保証を行なう事です。
機関保障にする場合は、毎月2618円の手数料が発生しますが、その代わり自己破産すると返済義務は消えませんが、連帯保証人へ債務が移行することはありません。
つまり、機関保障にすると周囲へ迷惑を掛ける事が無くなると言う事です。
企業の取り組み
次に奨学金による負の連鎖を少しでも緩和する為に、企業がどのような取り組みを行っているのか見ていきましょう。
現在では民間企業が奨学金を借りた人に対して、救済措置を施している場所があるそうです。
その1つがオンデーズという企業です。
オンデーズはテレビのコマーシャルでも見かけますし、知っている人は多いと思います。
その制度の中身とは、奨学金を借りている社員は審査が通れば給料に奨学金返済額が上乗せしてもらえると言うものです。
審査に通れば、給付された分を実際に返済に充てているかどうか、通帳のコピーが義務付けられています。
また、その他にもインフルエンサー手当と言って、SNSのフォロワー数が多い社員には5万円の手当が給付される制度もあります。
インフルエンサーと言うのは、SNS上で高い影響力を持った人の事で、芸能人や歌手、タレントなどを指し、固有名詞で言うとホリエモンや、西村ひろゆきなどが挙げられ、最近ではYouTuberのヒカキンやはじめしゃちょーと言った人たちもそれにあたります。
もちろんそこまで有名でなくても、「Twitterのフォロワーが〇万人」や「ニコニコ動画のチャンネル登録者数〇万人」といった実績があれば、一般人でもインフルエンサーに該当します。
こうしたインフルエンサーである社員がSNS上で企業のPRをしてくれると、社員は手当を貰え、会社にとっても広告という大きなメリットに繋がると言えます。
まとめ
奨学金を借りる事だけに目が行きがちですが、しっかりと借りた後の事も考えなくてはなりません。
なぜなら奨学金を返さない人が増えると、将来自分たちの子供の世代に影響が出てしまうからです。
そして「昔は奨学金と言う制度があったのに今は…」とならないよう、活用できる制度は見逃さないようにしたいところです。
特にオンデーズのような救済措置を用意した企業がこれから増えていくと、奨学金を返せないと言う人は自然と減少していくように感じます。
これから就活する人は、こうした手当も考慮しながら企業を選択するのもアリかもしれません。